「初めてまして」の方も多くいらっしゃるかと思います。
聞きなれない用語に「何だろう?」と調べてこのページを見ている事かと存じます。
Habituate Trimmingとは、
「慣らすこと」を重きに置いた新時代の「トリミングの概念」です。
世の中に数あるトリミングサロンの中でも、
「慣らす」ことに力を入れているサロンは ほんの一握りです。
ほとんどのトリミングサロンは
「綺麗に」そして、「可愛く」することを目的に運営しているところが多いのが現状です。
そして、目的が「犬のため」にある訳ではなくなってしまっている様に感じます。
そのため、「嫌がる犬」を「保定」等をして抑えてしまうのが
「トリミングの技量」と判断されてしまうのもまた事実でしょう。
トリミングは「一頭のわんちゃん」と向き合い、時間を掛ける事が出来れば
慣らすことが可能になることが多いです。
仮に「慣らす」事が出来るならば、トリマーさんが日々「犬」と闘わなくても良いのです。
近年、トリミング業界の様子が変わりつつあります。
今の時代、愛犬の負担やストレスを考える飼い主さんが確実に増えてきています。
そして、徐々にトリマーさんの横の繋がりが増えており、
ドックトレーナーさんや獣医さんと協力体制を築ける様になってきました。
昨今だと、ネットが普及している世の中になり、
カットに際し学びやすい環境が整ってきているため、最近は「可愛くカットする方法」や「より綺麗に仕上げる技術」の配信や動画のバリエーションも増えました。
この先の行く末を考えたときに、
果たして「綺麗にカットする技術」が飼い主様に「一番」重宝されるのでしょうか?
私たちにとってのトリミングは、
「ある程度のクオリティ」、「清潔さが保てる」ラインまでで良いと思っております。
それ以上に求めることは「飼い主さん」や「トリマー」のためであり、
『犬のため』にあまりならないのではと思います。
日ごろから暴れるワンちゃん達を扱っているトリマーさん達が
この現状どうにかならないかな・・と模索する中で、【トリミングより大事なものがあるのでは】と思い至っている方も増えています(SNSを通して)
経緯は様々かと思いますが、その様な経緯でも、新しい形のサロンが少しずつ増えてきております。
トリマーさんが多く感じる事として、犬の業界に入ったばかりの時は、
【こんなに作業が苦手/嫌がる子が多いの?】と驚く人は多いでしょう。
ですが、次第にその状況でも当たり前の様に感じ、慣れていってしまうんです。
原点に還った時に、自分が思う理想のトリマー像はもっと優しいトリマーさんだったことにふと気付く時が来る方もいます。
なぜ犬が好きで就いた職業なのに、こんな現状なのだろうかと。
その違和感を解消する術をみなさんに知ってもらいたい。
今後、トリマーの意識が変わり、飼い主さんの意識が変わって来た時に、
トリミングはもっと「安全」に行える未来を作ることが出来るはずです。
現状は、「わんちゃん」も、「トリマーさん」も余裕がないんです。
そして、「トリミング」がトリマーさんにとっても、わんちゃんにとっても
また飼い主さんにとっても良い形に変わる様、
「日本慣らしトリミング協会」を発足し、[ Habituate Trimming ] の存在をたくさんの方に広めています。
当協会は、わんちゃんに対してトリミングの慣らしが必要だと感じ、
新たなトリミング概念として、[ Habituate Trimming ] を広めております。
[ Habituate Trimming ] とは、
様々な方法を用いて「慣らし」を行うトリミング方法の総称です。
「トリミング作業が苦手に感じてしまっている子達を何とか出来ないのか」 と思った時に、
様々な方法が挙げられます。
しかしながら、何から始めて良いモノかわからない方も多く、
現状に困っている方もたくさんいらっしゃいます。
一つ、皆様にご理解いただきたいのは、何かに「慣らす」事は時間が掛かり、
また、一朝一夕では難しいです。
そして、「慣らす」という事はそもそも「慣れていない状態」からのスタートになります。
「トリミング」に慣れていない状態をどうにかしたいと思った際に、
まず始めるべきことは、
【場所】と【人(スタッフ等)】の慣らしが最初の内は特に大切になります。
トリミングの作業からスタートではありません。
「作業」に慣らす際に、わんちゃんが緊張状態や興奮状態、または警戒していると慣らす事は難しく、効率良く行えません。
トリミングとは作業の一連の流れや、一部のカットと思われる方も多いですが、
当協会が提案する「トリミングに慣らす」とは、
【お手入れやシャンプー、カット、それらに関わるモノの全て】に慣らしていく事です。
トリミングに慣れていない=トリミング「だけ」に慣らすと言う意味合いではございません。
「Habituate Trimming」の極意は、
如何にわんちゃん達に様々なモノに対して慣らしていく環境を作れるかにあります。
「慣れた場所」で落ち着き、そして「信頼関係を築けてきているスタッフ」により
時には「リラックス時間」を設けながら、おやつを上げながら、音を使ったり、
一緒に遊んだり、トリミング前に体や足を触る練習をしたりと、
様々な形でトリミングに慣らしていきます。
慣らし方に正解はありません。
十人十色と同様に、もしわんちゃんが100頭いたら、慣らし方や順序が異なる事も多々あるでしょう。
しかし、その全てに共通することは、現状よりも「未来がより良くなる事」を想い、
飼い主様とトリマーさんが協力して臨み そして改善していくことにあります。
それこそが、当協会が理想としている「Habituate Trimming」の姿になります。